昨年のトレカブームは、初心者や投資家の多くが参入し大いに盛り上がりました。
ポケモンカードを始め、遊戯王OCG・ワンピースカードゲーム・バイスシュヴァルツ・ユニオンアリーナなど多くのカードタイトルが注目されました。
最近ではブームも一段落し、以前よりトレカが手に入りやすくなったように感じますが、それでも依然として多くの人々が欲しいカードを求めています。
しかし、こうした需要を狙った悪質な手口の一つに『トレカのサーチ』があります。
本記事では、トレカのサーチ方法やその痕跡の見分け方を学び、悪質な業者や出品者を回避するための知識を身に付けることを目的としています。
トレカのサーチとは
トレカのサーチとは、未開封のトレーディングカードパックやボックスの中から、レアリティの高いカードや目的のカードを開封せずに特定する行為を指します。
この行為は、ハズレパックと当たりパックを選別することができるため、パックを購入して開封する楽しみを損ねます。
当たりだけを抜き取ったハズレのパックを横流しするなど、悪質な業者や出品者が利用することがあります。
当たりパックとは
トレカの当たりパックとは、トレーディングカードゲーム(トレカ)のパックの中に、通常よりも封入確率が低いレアリティの高いカードや価値のあるカードが封入されているパックのことを指します。
トレカパックにはさまざまな種類のカード(コモン、アンコモン、レア、スーパーレア、ウルトラレア、シークレットレアなど)が封入されていますが、当たりパックには特に高価なカードや希少性の高いカードが含まれています。
基本的には、どのカードゲームでも1Boxに1枚は高レアリティが入っています。高レアリティの中でも希少性の高いカードだと、カートン(12Box~24Box)に1枚などまじめに買っていたらほぼ当たらないカードも存在します。なので不正をする人が出てくる訳です。
サーチ方法種類・痕跡
トレカのサーチ方法は複数あり、それぞれに痕跡を見分けるポイントがあります。ここでは、主要なサーチ手法とその痕跡の見分け方を紹介します。
重量サーチ
レアリティの高いカードは通常のカードよりも重いことがあり、これを利用してパック全体の重さを計測し、レアカードが含まれているパックを特定する方法です。精密な計測器を使うことで、光沢や加工の程度に応じた重さの差を検出します。
重量サーチではパックに直接的な痕跡は残りにくいため、見分けるのは難しいです。パックを大量に開けている経験者なら、封入バランスや異常を感じ取れる場合がありますが、一般の人が判断するのは困難です。
ライトサーチ
パックを強い光にかざして、中のカードを透かして確認する方法です。特に薄い包装材を使用しているパックの場合、レアカードの光沢や特徴的な模様、カード番号を見分けることができます。暗い場所でスマホのライトなどを使って透かすことが可能です。パックの中を覗くので欲しいカードを確実に入手することができます。
指や爪でパックを押してカードを動かす際に、外装にへこみや小さな傷がつくことがあります。ただし痕跡が小さすぎるため、見分けるのは難しいです。
触覚サーチ
パックの表面を触って、中のカードの質感や硬さを感じ取り、レアカードを判別する方法です。特殊加工されたカードは通常のカードより滑りやすいため、手に取って確認することが可能です。輸送時にカードが滑って動くため、空気が入って膨らんでいるパックもヒントになります。
人の手に触れられたパックは、他のパックと比べて外装にしわが寄ったり、中のカードに不自然な折れや傷がつくことがあります。触覚サーチは一般的に知られており、利用者も多いですが、カードに傷がつくリスクが高いため、美品を求める人ほど避ける傾向があります。
金属探知機サーチ
金属探知機を使ってカード内に含まれる金属成分を検出し、当たりパックを見分ける方法です。高レアリティのカードには金属が配合されていることが多く、反応が出やすいですが、最近では低レアリティカードにも金属が使われるようになっているため、精度が落ちる場合もあります。
この方法には物理的な痕跡は残りません。しかし、特殊な機器が必要で、精度があまり高くないため、実際に使用される頻度は低い印象です。
悪質業者・出品者例
トレーディングカード市場には、サーチや不正を行う悪質な業者や出品者が存在します。ここでは、そのような業者の代表的な手口と、回避すべき例を紹介します。
高確率パック
「高確率で当たりカードが出る」と謳って販売されるパックです。公式に保証されたものではなく、実際にはサーチや不正を行った後のハズレパックを売っていることが多いです。
本当に当たりカードが出るなら、自分で開けて売った方が利益が出ます。バラパックでの販売が主流で、ライトサーチされている可能性が高く、確実に当たりのカードは入っていないので購入を避けましょう。
ハズレボックス
カートン(12Box~24Box)の中に1枚しか当たりカードが入っていない場合、当たりカードが出るまで開封し、残ったハズレボックスを販売する業者です。こうしたボックスを買った購入者は、期待値がゼロの箱を手にすることになります。
フラゲ(発売日前)や発売日に大当たりカードをシングル販売しているショップや個人出品者は、特に注意が必要です。
オリパ
「オリパ」とは、ショップや個人が独自に作成したパックで、公式パックとは異なります。「高額カードが含まれる可能性がある」と宣伝されますが、不正が横行しやすい領域です。大当たりが出ても、傷のあるカードや、そもそも当たりカードが封入されていない場合もあります。
信頼できる販売者から購入することが重要です。購入制限を設けて、当たりが出ないことを確認させないようにするケースもあるります。詐欺にあうリスクが非常に高いので信頼できないオリパは避けましょう。
非正規ショップ
中古買取ショップや個人営業の店舗は、商品の入荷ルートが不透明な場合が多いです。サーチ済みパックや不正が行われた商品が流通していることがあります。特に利益を優先して、サーチしたパックを高額で販売している場合がよくあります。
正規販売店での購入を心がけ、入荷ルートが不明なショップは避けるようにしましょう。
再シュリンク品
シュリンク(ビニール包装)が施されている未開封ボックスが、新品の証として販売されることがあります。しかし、悪質な業者は一度開封し、当たりパックを差し替えて再度シュリンクを施すことで、新品のように見せかけて販売することがあります。中には石や他の物を詰め、海外市場で販売するケースも報告されています。
シュリンクが不自然だったり、シュリンク品を安価で提供している業者には注意を払いましょう。中古買取販売している業者は知らずに再シュリンク品を買取して販売しているので購入しないようにしましょう。
トレカのサーチは悪い事なのか?
トレカのサーチ行為はあくまで「手法」です。その使われ方次第で大きな問題となることが多く、特にサーチ行為が他人に不利益を与える場合、それはモラルや倫理に反する行為となります。
なぜサーチが問題視されるのか?
1. 公平性の欠如
サーチ行為は、パックやボックスを買う他の購入者に対して不公平です。当たりカードが抜き取られたハズレパックを買わされたり、楽しみや期待感を失わせることになります。サーチ済みの商品を売る業者も、消費者を欺く行為をしているため、問題視されます。
2. 公式の意図に反する
トレカの魅力は、「何が出るかわからない」という期待感です。公式側は、このランダム性を楽しんでもらうことを目的としており、サーチ行為はその楽しみを損ないます。公式がサーチを推奨していないのもこのためです。
3. 二次市場への影響
サーチされた商品が転売されることで、市場全体が悪質な出品者に汚染されるリスクがあります。サーチ済みパックやボックスを販売することで、購入者が商品に不信感を抱き、トレーディングカード業界全体の信頼性が低下することもあります。
サーチの意義と注意点
一方で、サーチそのものが不正と見なされるわけではありません。自己満足やコレクションの一環として、誰にも迷惑をかけない範囲でサーチを行う場合、道義的には大きな問題とされないこともあります。しかし、サーチされた商品を他者に転売したり、不正な利益を得ようとすることは問題視されます。
結論
サーチ自体は技術や知識の一部として捉えられることがあっても、それが他者に影響を与える形で悪用されると、結果として不正行為となり得ます。トレーディングカードを正しく楽しむためには、サーチに頼らず、正規の方法でカードの魅力を楽しむことが推奨されます。
まとめ
このような業者や出品者は利益を優先し、不正なサーチ行為を行うことが多いため、購入者にとって非常にリスクの高い状況です。サーチ済みの商品を購入しないためには、以下の点に注意しましょう。
- 信頼できる販売者からのみ購入する: 疑わしい販売手法や業者を避け、評判の良い正規店や公式販売ルートからの購入を推奨します。
- コンビニや電化製品店でも注意が必要: 一部の店舗では、店員によってサーチされたパックが販売される事件も報告されています。
- バラパックには手を出さない: 一度でも人の手に触れたバラパックはサーチ済みと考えた方が良く、特に個人店やカードショップなどで販売されるバラパックはリスクが高いです。
最も重要なのは、信頼できる正規店でのみ購入することが、当たりカードを手に入れる最低条件です。
コメント